書評 芝崎祐典『権力と音楽』(吉田書店) 「ドイツ的でなくして音楽家でありえようか」とはトーマス・マンの言葉だ。ドイツ音楽に対する国民の誇りを端的に表現している。このドイツ音楽を政治の道具に利用したのがナチスだった。党大会やヒトラーの誕生日、そして占領地域にお... 2021.03.01 岩田温 0 書評
書評 池田潔『自由と規律:イギリスの学校生活』(岩波新書) 英国にはパブリック・スクールという学校が存在する。「パブリック」とあるために誤解されがちだが、公立学校ではなく、私立学校である。その歴史は古く、設立の起源は十四世紀にまで遡る。 パブリック・スクールの特徴は全寮制にある。二十四時... 2021.03.01 岩田温 0 書評
書評 長勢了治『シベリア抑留』(新潮選書) 昭和二十年八月十五日。戦争が終わり、人々は貧しくも、平和な生活を開始した。多くの人々が小学校、中学校で教えられる。確かに真理の一面を指摘してはいる。だが、全ての日本人がこの日を境に平和な生活に戻ったとするのは誤りだ。むしろ、この... 2021.03.01 岩田温 0 書評
書評 ヴィクトル・ザスラフスキー 『カチンの森』(みすず書房) 1939年8月23日、世界の人々は驚愕した。水と油の関係にあると思われていたヒトラー率いるドイツとスターリン率いるソ連が不可侵条約を締結したからだ。不可侵条約には秘密条項が存在しており、二人の独裁者は実に独善的にポーランドの分割... 2021.03.01 岩田温 0 書評
書評 山崎拓『YKK秘録』講談社 「生」の政治とは、いかなるものなのか。こうした疑問に答えるに相応しい一冊が出版された。著者は当選以来、衆議院手帖に首相をはじめ政界の重要人物と交わした会話、著者の感想、場所等々を細かく記し続けてきた。その膨大な手帖をもとにYKK... 2021.03.01 岩田温 0 書評
書評 ドラッカー『経済人の終わり』(ダイヤモンド社) マネジメント学者として著名なドラッカーは、政治学者として活動を始めた。「自由」を守る反全体主義の論陣を張り、ナチスや共産主義を正面から批判していたのだ。政治学者ドラッカーの主著が本書である。本書を一読した英国の首相チャーチルは、... 2021.03.01 岩田温 0 書評
書評 マイケル・オークショット『歴史について、およびその他のエッセイ』(ソキエタス叢書) 『政治における合理主義』の著者として知られるオークショットは、保守主義者の一人として数えられることが多い。たしかに、『政治における合理主義』に収められた「保守的であること」を一読すれば、オークショットが保守的な気質の持主であるこ... 2021.02.27 2021.03.01 岩田温 0 書評